〜B&B〜



使用される場所 漫才の中途
使用頻度 ネタ展開の中で
想定されるパターン

 広島「なんといっても広島は都会やしね。もう勢いが違う。
ヒロシマー!ってなんか爽やかでしょ。ヒロシマー!って。
そこへ行くと岡山、ってなんか陰気でいややね」
岡山「そんなことあるかいな。岡山かて都会ですよ」
広島「どこがやねん。だいたい岡山なんて名物からしていやらしいでしょ。
「岡山の桃!」って。なんかいやらしいやん。
そこへいくと広島は違うでぇ。「もみじまんじゅう!」 ってなんか勢いがあるもんねぇ。
「もみじまんじゅう! 」って」

 

 

 「もみじまんじゅう」が広島県特産の和菓子であることからもわかるように、このフレーズはコンビそれぞれの出身地において、いかに都会と田舎の差異があるかというギャップを笑いにつなげるものです。具体的には広島出身の画面向かって右側に位置する突っ込みの男が広島県の都会性を自慢し、それによって岡山県出身である相方の田舎者ぶりを嗤うというスタイルでネタを展開させていきます。

 といった具合にネタを展開させていってください。そして、このフレーズを契機に、いかに岡山が陰気な土地かという内容をこれでもかとばかりにぶつけてください。たとえば新幹線の停車時間が岡山だけ2秒であるなどといった具合に。

 それでは、以上のことを踏まえて次にうつりましょう。

 

 この動きは、もみじまんじゅうの形状を表そうとするものです。もちろん、実際のもみじまんじゅうとは細かい点において差異がありますが、観客がもみじの葉を連想しさえすれば、一向に差し支えありません。

 この動作を行うときのポイントは、できる限り両腕に力を込め、高速に、大きく動かすことです。それを見ている観客から、まるでぜんまい仕掛けの人形のようだ、と思われるくらい、腕を強烈に動かしてください。また、腕以外の部分はなるべく動かさないようにして、上体を多少反らせ気味にして自慢気にうつるようにすることも忘れないでください。

 ちなみに、このとき、画面向かって左側の岡山サイドの男について、とくに注意すべき点はありません。広島サイドの男の邪魔をしないことだけに留意してください。

 それでは、次にうつりましょう。

 

 これが完成形です。どうでしょうか。うまく出来ましたでしょうか。このフレーズのポイントは前述したように「高速と大きさ」です。したがいまして、一気に行うことを念頭に置いてください。

 いまやビンテージとしての輝きを有しているフレーズであり、また、広島県ー岡山県、という関係に無いかぎり(あるいは岡山県以上の田舎)、そのまま使用するのが難しいフレーズであることは間違いありません。しかしながら「B&B」「ツービート」「紳助・竜介」そして「ダウンタウン」といった、「エンタツ・アチャコ」から「横山やすし・西川きよし」まで連なる近代漫才の息の根を止めた漫才師達が、大挙して現れる時代の呼び声となったフレーズであるだけに、ぜひとも身に付けておきたいフレーズです。