麦江田は無線を使い『お昼のプランティーノ』の取材クルーを警備しているC班を除いた他の警備員に小供達を追うよう指示を出した。

後になって冷静に考えてみれば突如として大勢の警備員たちに追い立てられることとなった小供達の心の傷は如何ばかりか、とも思うが、この時は小供達を警察の手に渡すことだけは避けなければならない、もしもこの件が事件化され、この子が家庭裁判所にでも送られ果ては少年院に送致でもされてしまったら……とそのことばかりに考えが向いてしまっていた。

方法はどうあれ麦江田はタイヨウくんを助けようとしていた。