麦江田はできるだけ優しい口調で諭すように説得を続けた。

警備員は警察とは違って逮捕をしたりしないこと、警備員達は別段怒ってなどいないこと、いま素直に出てくれば穏便に事を済ませることなどを可能な限り平易な言葉を使って話しかけた。

だが小供達は一向に出てくる気配はない。

麦江田はここが堪えどころと自分に云い聞かせながら粘り強く説得を続けた。しかし小供達はやはり一向に動こうとはしなかった。

心が折れそうになりその度に怒鳴りつけそうになる自分の心を必至に制しながら、麦江田は説得を続けた。