こういうときに文句を云っている人の云い分を聞いてみると大抵困っているのはあなただけじゃないんですよ、と云ってやりたくなることが多い。

このおばさんにしても列が進まないことに苛立つあまり、ようやく巡ってきた順番に、ここぞとばかりお店の人に向かって呪詛の言葉を叩きつけているのである。

だが待たされているのはみんな同じなのであり、加えて、そうしておばさんが文句を云い募るせいでさらに列の進行は停滞してしまっているのだが、おばさんの価値観/倫理観は自らの快/不快の判断しかないからそこには思いが至らない。